新型コロナウイルス感染症が拡大している状況で人が倒れたとき、一般市民の方がどう対応するか? 一般の方の関心は高いようです。NHKでも取り上げられています。
それに対する救急科の医師の答えは、「一番大切なことは119番通報」としています。そのとおりです。
そして、救急の医師の説明をもとに、3つの重要なポイントを挙げています。
①現場が屋内の場合は窓を開けるなど換気を行う。
②相手のだ液や血液、おう吐物などには触れない。
③持っていれば、手袋やマスク、眼鏡、サングラスなどを着用する。
NHK札幌放送局
①は、あとから行う胸骨圧迫がエアロゾルを発生さえる可能性があり、それを吸い込むリスクを軽減するためですね。救助者が一人の場合は、換気よりも胸骨圧迫では?と思わなくもありませんが、救助者が複数いれば一人は換気をしてもいいですね。あとから到着する救急隊のリスク軽減にもなります。
②はそのとおりですね。わざわざ触れる人はいないと思いますが、触れないように注意を促すのはいいですね。
③も、手袋、メガネなどをあれば使用するのは妥当でしょう。マスクはどうでしょうか。普通のマスクは、自らの感染を予防にはならないのと、胸骨圧迫は比較的体力を使う動作なので、苦しくなってしまうかもしれませんね。マスクの評価って難しいですね。サングラス? わざわざ取り上げている理由はわかりません。
実際の処置については、
としています。ここに書いてあるのはおおむね妥当ですね。このサイトでもご紹介した119番通報時の通信指令による口頭指導とマッチしていますね。
ただ、一人の医師の考えではなくて、どこか公的なところがガイドラインとして出しほしいですね。どこか出していないのでしょうか?そう思って調べてみると、東京消防庁がホームページで示しています。
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/kyuu-adv/life01-2.html
概ね妥当かと思いますが、「手袋やビニール袋を着用し、倒れている方に直接触れないようにしましょう」はちょっと言い過ぎな感じがします。手袋やビニールがすぐに用意できれば、つけたほうがよいのは明らかです。が、用意できる状況ばかりではありません。その場合は、応急手当はやらないほうがよいかというと、そうでないことが多いと思います。この判断は、人によって大きく違うのでしょう。
その他の記載は、おおむねNHKの記事と同じです。
やっぱり、救急の先生とか、一つの消防本部(とはいっても東京消防庁ならOKな気もします。)ではなく、市民の心肺蘇生については、国として指針を示してほしいですね。ガイドライン2015を考えれば、厚労省か心肺蘇生法委員会なのでしょうか。でも、厚労省は急がしくてそんな余裕がないかも。JRC蘇生協議会が見解を示していますが、医学的な記述となっており、一般人には「それで、どうするの?」って感じなので。
英国の蘇生協議会のような、ガイドラインや動画があるといいですが・・・。