日本臨床救急医学会が、2017年4月に「人生の最終段階にある傷病者の意思に沿った救急現場での心肺蘇生等のあり方に関する提言」を公表しました。 119番通報により、救急隊員が心肺蘇生傷病者のもとに駆けつけるも、家族などから心肺蘇生を望まないという本人の希望が書かれた「医師の指示書」を提示される。しかし救急隊員には「救命の原則」がある。そのようなときに、どのような対応をとるのか、それを指針として示したものです。

指針の概要

提言では、救急隊員は指示書が提示されたとしてもまずは心肺蘇生を行うものとし、その間に傷病者本人の病歴、生活状況、家族との関係等をよく理解している「かかりつけ医」に直接連絡をする。 「かかりつけ医」 が心肺蘇生中止の指示を出せば、その指示のもと、救急隊員は心肺蘇生を中止することを提言しています。

傷病者の意思は尊重しなければならないが、それを尊重するとすると傷病者のいのちは失われるという大きなジレンマに一つの道筋を示す指針となっています。

もちろん、そのようなジレンマが生じないように、救命を望まない人のもとに救急隊が駆けつける事態を少しでも減らしていく取り組みも重要です。提言は、”心肺蘇生等を望まないのであれば、119 番通報に至らないのが理想”であり、”関係各位の取り組みや地域の医療や介護・福祉の関係者等への働きかけが重要”としています。

公表時は、とても大きな反響があり、主要紙すべてに記事が掲載され(日経新聞までも!)、NHKでも報道されたようです。 これをきっかけに、社会全体がこの問題を考えてくれるとよいですね。

救急の現場を背負うものからすると待ちに待った指針ですが、学会の指針だけでは自分たちの活動指針を変更するのは難しい地域もあるかもしれません。学会からの指針を下にした国(消防庁)からの大方針が示されればよいのでしょうが、簡単にはいかないでしょうね。いずれにしても当サイトでは、傷病者の医師に沿った救急隊員の活動のあり方について、情報を提供していきます。

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